* 読者からのお便り *
――― 鉄馬に乗って(「はむ」さん、年齢不詳、女性?)
こんにちは。初めてメール致します。
この夏、モンゴルの野山をオフロードバイクで駆け巡るツアーに
参加することになり、情報収集を、と思い書店に立ち寄った時に
『内モンゴルの草原日記』に出会いました。それまで、なぜモンゴ
ルへ、と聞かれても友人に誘われたから、としか答えようがなかっ
たのに、読み終わったら無性に羊たちに会いたくなって、地平線が
見たくなって、出発の日を心待ちにしているところです。ブチブチ
コロコロと呪文のように唱えながら…。
バイクで走るのは5日間だけですが、ハンガイ山脈周辺を巡ったあと、ハルホリンにも立ち寄るようで、途中でどんな人に、風景に出会えるだろうかと、とても楽しみにしています。迷子になって立ち止まっていると、ツアーのスタッフより先に羊飼いがやってくるとか。
鉄の馬では羊飼いになりきれないにしても、モンゴルの自然の中
で、時間に追われることなく、ちょっとだけ羊飼い気分を味わって
きたいと思います。
出発前から、こんな楽しい気持ちにさせてくれた『内モンゴルの
草原日記』に感謝しています。
それでは、来週末から行ってきます。
――― 時の旅人となり、匈奴地を駆け抜け…(匿名希望、49歳)
最初に『羊飼いになろう』を読んでから、すっかりファンになり、この作者の本をもっと読みたい思って注文していたニ冊、『中国旅行がしたくなる本』と『黄河幻想』を手に入れたその日に、両方とも一気に読んでしまいました。
『中国旅行が……』を笑ったり頷いたりしながら読み終え、少しだけのつもりで『黄河幻想』を読み始めたら、途中でやめることが出来なくなってしまったのです。
読書するそばで、なにやらアクションもののテレビ映画がドンパチやっていましたが、ぜんぜん気になりませんでした。それほど夢中で読みました。
1999年11月XX日夜半ば、私は時の旅人となって、匈奴の大地を駆け抜け、万里の長城を越えて、黄河を渡り、中原へ、西域へと導かれて行きました。
和田さんの力は過去を今に結びつけることのできる感覚にある、と思いました。過去に溺れる事無なく、現在にも足を掬われないバランスを持っている方だと思いました。それは世田谷は呑み川の桜のほとりから黄河の荒巻くほとりにたたずむまでの間に培われたものなのでしょうね。
そして今北京駐在2年目をむかえられて、日々どのような感慨をもって過ごされているのか、それがどのような形一冊の本になっていくのか、次作楽しみにしています。
一読者より
――― 内モンゴルの青年に会いました(Muyumi さん)
ニイハオ!初めてメールさせて頂きます。
Mayumiと申します。
先日、和田さんの「内モンゴル草原日記」を拝読させて頂きました。とても共鳴しました。とても素敵な本でした。「内モンゴル」の風が吹き付けてくるのを感じました……。
10月15日から21日まで北京に偶然が重なり突然旅行に行くことになり、生まれて初めて北京に行きました。そこで24歳の内モンゴル出身の青年と出会い、「内モンゴル」という所があることを知りました。彼は24歳と若いのにとてもしっかりした、熱い心をもった好青年でした。
「自分の人生は自分で掴んでゆくもの」という彼の言葉に日本でなんとなくぼんやり生きていた私は衝撃を受けるほど感動しました。「生きること」の情熱を教えてもらった気がします。
帰国してからも「内モンゴル」「中国」というキーワードが私の中から抜けませんでした。そして本屋で和田さんの著作を発見し、いっきに読ませて頂いたのです。
本の中で描かれている内モンゴルの人々のくらし、人生観に感動しました。
「風のように生き、風のように死んでゆく」
「持ち運び出来る以上の荷物はもたない……」
なんて潔い……美しい生き方なのでしょう……
自分がいかに物事に執着して生きているのかを痛感しました。目をつぶると見渡す限りの草原の海原が浮かびます。見たことも行ったこともない内モンゴルですが、なぜかとても心を惹かれます。懐かしい気持ちすらします。
近いうちに是非またもう一度、北京の青年に会いに……そして内モンゴルに行ってみたいと思っています。
また、中国や内モンゴルの本を是非書いて下さいね。HPも毎日変わるので楽しみに拝見しております。
それでは失礼致します。
――― じらしながら読みました(キョロさん--二十五歳)
和田さんはじめてメールです。
私は偶然本屋で"内モンゴル草原日記"を見て1ページ目でこの本は絶対面白い!と思い買ってから家で読み初め面白くて面白くてどんどん読んでいきました。
途中で終わるのがもったいなくて、先を読みたいんだけど終わりたくないという気持ちからじらしながら読みました。(じらした割に3日位で読み終えちゃったけど)
読み終わった後のすっきり感!自分がモンゴルいたかのように伝わってきました。和田さんは文章書くのが上手ですね。とても面白く、状況が十分に伝わってきます。
この本は、私のとてもお気に入りになって、人にプレゼントしたくなる本です。また本を出るのを楽しみにしています。
近い内に北京に行って和田さんに会えるといいです。
――― もしかしてご近所? 私の家は草加です(津山薫さん)
内蒙古の旅行記、読みました。とても面白かったです。
男の人なのに、随分繊細な感覚を持った方なのだなあ、と思いながら読みました。あと、写真がきれいでした。あれ、デジカメですか?!
実は、私も97年に1年間北京に語学留学していたことがあり、その間、内蒙古人の友人と3回もシリンホトに行ってしまいました。1度目は6月の一番良い季節でしたが、2度目は10月、3度目は12月でした。で、冬の蒙古にはまってしまい、去年は失業期間を生かして11月1ヶ月間、ウランバートルにも行ってしまいました。和田さんも、ぜひ今度は冬の草原に行ってみるってのはどうでしょう?! 夏とは違った羊飼いのたくましい生活が見れるかも!! 和田さんの本を読んで、私もまた草原に行きたくなってしまいました。10月末か11月に行こう!! 私も行くって決めたーっっ!! で、宴会の準備(歌&お酒)の練習始めなければ!!!!!
そうそう、あと、「8時32分で北千住駅で乗り換えて」って書いてありましたが、もしかしてご近所?!?!?! 私の家は草加です。私も今、毎朝8時39分頃北千住です。
あ、あと、自己紹介欄にどうして和田さんの写真がないんですか?! 絶対写真入れたほうがいいと思いますう。
(草加の羊飼いの娘 津山 薫より)
――― あ〜 なんて さわやかな 本でしょう!(臼井洋子さん)
読売新聞にのっていた 和田さんのご本の広告記事を見て、私が住む府中市の図書館に予約に行きました。係りの人が在庫を検索してくれましたが、まだ図書館にはなかったようで、さっそく購入しますといわれ、やっと本日、手元にとどきました。
もちろん私が一番はじめに読むのです!!
2時間ほどで、風のように読んでしまいました、最後のほうは、ときおり老眼鏡をはずして涙をふきながら……。
あ〜 なんて さわやかな 本でしょう!
読み終えて まず 感動したのはまるで ひとり言のような、素直な、飾り気のない、いやみのない、むずかしくない和田さんの文章でした ! 最近友人たちとメールをやりとりするようになり、よけいに、私もこんな風に 文章をつづってみたいなあ、と感動した次第です。
失礼ながら、他のご本を読んでおりませんので、もしかしたら、その筆運びも和田さんが今回のモンゴルから持ち帰られたものなのかもしれません。
「あとがき」に
「どうだろう? 読者の皆さんに、うまく伝えることができただろうか? 地平線まで、見渡す限り、緑の草のうち続く内モンゴルの大草原を。……吹き抜ける風を。」
と書かれていますが、十分に私の心の草を揺らすことができましたよ!!
実はわたしも1949年生まれであること、大好きな人が"モンゴルに行って見たい……"と常々言っていること、映画「ウルガ」を見たこと、若かりし頃、数年間北アルプスの山小屋で働いていたときに、よく"時間"と"空間"の事などを考えたこと、中国人の友達がいてちょっと中国語をかじったこと、三月に愛犬を亡くした時に犬の幸福についてかんがえたこと、etc.etc.
いろんな想いがわいてきました。
それから、和田さんのご本がさわやかな理由がもうひとつ、それは 最後に
「……でも明日はヒゲを剃り、腕には時計をはめ、革靴をはいて帰っていこう。私の「時間」へ、私の「空間」へ。」
当然のことではありますが、今じぶんの置かれている世界へきちんともどっていこう !! と すっきりとした決意があらわれているからなのにちがいないのです。まずは自分の社会でしっかりと生きることが大事なんだよ……と。
そんな気にさせられた私です。
子供達が巣立って、母親としての責任をとりあえず終えたらわたしも自分さがしに行って見たいとおもいます。
思わず、お便りをさせていただきました。友人たちにぜひ読ませたい本をまた一冊見つけられたこともうれしいです。
――― ウユンピリカさんに会ってきました(内藤暁枝さん)
和田さんの本を持ってシリンホトへ行ってきました。そして、ウユンピリカさんに会ってきましたよ。
空港についた時には笑ってしまいました。本当に『うまくしたもので降りたところに滑走路があった』からです!
シリンホトの大草原は、本当にただの大草原でした。
乗馬をしても、すばらしい景色のシリン河までドライブしたとしても、やはり結局は緑のなかにいるだけ。人生観が変わるとかそんなドラマチックなことは全くありませんでした。いろんな事をグルグルと考えてしまって、時には余計なことまで考えてしまって悲しくなったりもしました。
でも、1日の過ごし方=考えること・・・って相当贅沢なことです。先週土曜に帰国して、今週月曜から仕事して、あっという間にまた今日は土曜日で。この一週間、自分のことだけを考えていた時間はあったかな? 来週だってないだろうな。
4ヶ月に2日間だけ・・・の割合で、シリンホト草原を訪れることができたら、どんなに良いだろうと思います。
ウユンピリカさんに会いに行ったのは、北京に帰る日の午前中でした。案内してくれいていたガイドさんに本を見せて、この人知っている、って聞いたら、「知ってますよ」と連れていってくれました。あそこは本当に何にもないところですね。私がお世話になった家庭の周辺だって何も無かったけれど、ウユンピリカさんのところはもっと隔離されている印象を受けました。馬!羊!(日中でしたので近くにはいませんでしたが)パオ!緑の丘!それだけ。
ウユンピリカさん、バヤルトさん、バヤルトさんのお嫁さん、、奥さん、小革命さん。皆さんに会ってきましたよ。ウユンピリカさんは本当にシワが多い人ですね。それから、和田さんは知らないでしょうが、バヤルトさんには赤ちゃんができてましたよ。
和田さんのご本をみせたところ、全ページをみんなで頭を揃えて丁寧にめくっていました。写真をご覧になってるだけなんでしょうけど、楽しそうで、見ていてまるで私が撮ったかのようにニヤニヤしてしまいました。
赤ちゃんは前も後ろも切れ目のあるズボンをはいた、天然パーマがクルクルと可愛い男の子でした。本当に欧米人のような巻き毛で、この子も蒙古馬を上手に操る男に育つのかなーと思ったとき、その巻き毛がイメージじゃなくて、おかしかったです。
ウユンピリカさんは、ちょっとだけパオに顔を出してくださった後、すぐに馬に乗ってどこか出かけられました。帰路、私たちの車が彼を追い越した時、馬を捕まえる輪のついた棒で車をひっかけようとしたその仕種がおかしくて、それだけなんですけど、もうちょっと長くウユンピリカさんのところにいたかったな、と思いました。
和田さんの本も楽しかった。本に釣られていったシリンホトも楽しかった。とても思いで深い夏休みでした。
-------驚きましたね。ウユンピリカさんに会いに行った人がいるなんて。-----
――― 「歩いていれば、いつかは見えてくる」(渡辺直子さん)
三冊目のご本、拝読させていただきました(三冊とも全部読んでいるのですよ)。
いろいろ考えさせられる言葉が多かったなかで、特に印象的なのが、「歩いていれば、見えなかったものでもいつかは見えてくる。それも突然に。」です。
ぐっと来ました。
風のように生きている。でも歩みを止めているわけでも、流されているわけでもない。
自分の足で、歩いている。
小さいトリグリですら、それを知っている。
時間に制約された生活を送っている。だけど流されることの多い自分。おもわず溜め息をついてしまいました。
今の生活を捨てることはできないけれど、私も一度、和田さんのように旅行者としてでも風の民と擦れ違ってみたいと思います。
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