* 北京胡同物語・雑踏は北京の味わい *


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<国慶節の天安門広場>

 十月一日。国慶節。建国記念日の休日だ。天安門広場へ行ってみた。きっと人がいっぱいいるだろう、と思って。人を見に行った。行ってみて驚いた。いるなんてもんじゃない。あの天安門広場が人で埋め尽くされている。北京中の人がみんな来ちゃったんじゃないかと思うほど凄い。その一瞬を捉えても、三十万や四十万はいるだろう。
 何があるってわけではない。歌手が歌を歌っているわけではない。政治家が演説をしているわけでもない。手品師が帽子からハトを出しているわけでもない。誰かが酒を無料で振る舞っているわけでもない。それでも、この人だ。一体何が面白いんだ、と思う。「で、オマエは何しに来たんだ」。「さぞかし、人がいっぱいいるだろうと思って見に来ただけだ」。「そうか、オレもそうだ」。こんなところか。

 人が集まると、それを目当てに金を儲けようと言う人も集まってくる。新聞売り。何で天安門広場に来て新聞を読むんだ、と思うがこれが結構売れている。飲料水売り。アイスクリーム売り。これがまた多い。北京中のアイスクリーム売りがみんな来ちゃったんじゃないか、と思うほど。五メートルおきに立っている。仲秋節には月餅を食べるというが、国慶節にはアイスクリームを食べる習慣もあるのだろうか? よく見ると色んなアイスクリーム売りがいる。昨日まで工場でネジを造っていたんですが倒産しまして、という顔をした中年の男。農業に見切りをつけて一旗揚げようと花の北京に出てきたよ、という若い男。バーのホステルからの転向よ、そんな顔した化粧の厚い女。
 突然、そんな彼らが、サアーと、逃げるように人混みのなかに消える行く。新聞売りは新聞を抱え。飲料水売りもアイスクリーム売りも。蜘蛛の子を散らす、というが本当にそんな感じだ。何があったんだ? 不思議に思っているとん、そこに、自転車に乗った公安が現れる。「逃げるように」ではなく、本当に逃げたのだ。営業許可もとっていない。税金も払っていない。勝手に売って勝手に儲けている。それを取り締まろうと公安が廻っている。廻ってはいるが、この広さこの人混み、どうしようもない。いや、もしかしたら、最初からどうしようなんて考えていないのかも知れない。自転車が去ると、また、新聞売り、飲料水売り、アイスクリーム売りが現れ、何もなかったかのように商売が再開される。

 本当に面白い。
 公安を含め、色んな商売があるもんだ。でも、みんな楽しそうだ。逃げるアイスクリーム売りも追いかける公安も。


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