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* 北京・街角の歌ごえ *


<天壇(9)>

 リーダーがいるということ……それが大きいのだ。社交ダンスに興ずる人々を人々をみて、そう感じた。大声を出しながら、手で拍子を取りながら、指導をしている人がいる。彼はしばしば音楽を止めさせ、自分で手本を示しながら注意を与える。人々は、実に忠実に彼の教えに従おうとする。
 声を出して掌で腕をたたいていたグループにも指導者がいた。ブツブツ言いながらおでこをさすっていたグループにも指導者がいた。みな、ボランティアなのだろうか。
 天壇というのは、ある意味では、一種のアナーキーとしての場だと言ってもいい。強制されて集まってくるのではない。軍隊でも学校でもない。好きにやっている。そのようにして、勝手気ままに何十という輪が出来ている。その輪どうしには何の関連も繋がりもない。アナーキー。それが天壇という場の面白さだと思っていた。
 しかし、ひとつの輪をとってみれば、そこにはリーダーがいる。おそらくは、ひとりのリーダー、そして、そのリーダーが、輪を成り立たせている。

 中国という大地もアナーキーだ。昔からそうだった。これからもそうだろう。そのアナーキーの地にひとりの統率者が現れる。項羽。劉邦。曹操。劉備。ジンギスカン。毛沢東。人々はシステムに向かって集まってくるのではない。組織に向かって忠信を誓うのでもない。ひとりの統率者に向かって己を捧げようとす。それが、中国。

 天壇の野外ダンス教室からここまで飛ぶのは、妄想というものだろうか?


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