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* 北京・街角の歌ごえ *


<夏の夕暮れ>

 暮れまどう街をひとりの老人が歩いて行く。中国の北方人特有のがっしりした体躯。短く刈ったごま塩の頭。白いランニングのシャツに紺色の短バン。両手には鳥籠。公園からの帰りなのだろう。  

 鳥籠を大きく振りながら大股に歩く。鳥籠を振るリズムは、歩みのリズム。歩みのリズムは、時の流れのリズム。時の流れのリズムは、肩に降りかかる夕靄が次第に濃さを増して行くリズム。肩に降りかかる夕靄が次第に濃さを増して行くリズムは、老人が鳥籠を振るリズム。
 すべてが渾然として一体。舞台が役者を造るのか、役者の動きが時の刻みを生み出すのか、時の刻みが舞台を成り立たせているのか。

 とにかく、日本人には真似のできない中国人の歩きだ。


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