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一期一シャッター過去ログ (2006年9月〜7月)
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2006年9月29日
(宿題)
宿題をやっています。何をやっているのかと思ってのぞき込んでみると……。漢字を書く練習をしました。紙に「諧」という字を繰り返し繰り返し書いています。中国人も漢字を覚えるのは大変なのですね。日本人の子供は、道路では勉強をしないのでしたっけ? まあ、勉強なんかどこでやっても同じですよ。できる子はできるし、できない子はできないし。
2006年9月28日
(東岳廟-2)
前回の「一期一シャッター」で「ほこら」と書いたのはこういうものです。塑像が置かれそこに祭られた神神の由来、あるいはどういう罪を犯すとどういう罰が待っているという縁起の説明が付けられています。その「ほこら」が境内の両側に何十も並んでいて、ひとつひとつ経巡っていくと、中国の原始的な民衆信仰、道教的幻想の中に引きずり込まれていくことになるのです。それはそれは、おどろおどろしい世界です。
2006年9月23日
(東岳廟)
秋の青空に誘われて久しぶりに東岳廟に行きました。この赤い柱の回廊の右には「ほこら」が並んでいてその「ほこら」ごとに道教の神々が祀られています。土着的で原始的で庶民的な信仰です。それを白人が一つ一つ写真に撮っていました。この角度で何を見つけたのか? 中国人の信仰も不可解ですし、それを見る白人の目も不可解です。
2006年9月21日
(にせブランド)
思えば、街角では最近はあまり見掛けなくなりました。にせブランドの巣窟的存在だった綉水市場もすっかり変わってしまいましたしね。どんなものでもね、有るものがなくなるのは寂しいものです。
2006年9月19日
(小さな秋)
槐樹の葉が黄色くなっているのを見つけました。空が高くなって、空気が乾いてきて、葉が黄色くなって……秋がそこまで来ています。
2006年9月17日
(ドレスの下は?)
ハヤリの結婚写真ですが、次の撮影スポットへの移動中の様子です。純白のドレスの下はジーパンにサンダル。これって正しい装いでしょうか?見えなきゃ同じだ。これは、中国のリアリズム。美しさは内側から。これは、日本のセンチメンタリズム。そんなところでしょうか。写真では、男性一人女性二人に見えますが、最近はそういう結婚写真がハヤッている、というわけではありません。何組ものカップルを流れ作業で動かしていまして、たまたま男性がひとり写っていないだけです。念のため。
2006年9月16日
(ナツメ特売)
ナツメは生でも食べますし、乾しても食べます。生でも乾してもバサバサっとした乾いた大地の味がします。まだお試しでない方はぜひ一度。これは、乾しナツメの特売に列を作る人々。「私の分は残っているかしら」って不安そうな顔も。通常500グラム8元が3元に。ビニール一袋で5,6元です。日本人の味覚からすると、列を作るほどのことかな、って気もしますが……。
2006年9月06日
(買い物)
秋風が吹く中ですが、道端の露天の売り買いは元気です。安物のシャツ一枚でもね。モノを買う喜びってものを感じますよね。
2006年9月05日
(クルミ)
クルミっていうのは今頃なんですね。蓮の実、ザクロ、クルミさらにはナツメ……。野性的な果物が街に溢れます。実りの秋です。
2006年9月04日
(雲)
工事現場の上にも箒で掃いたような雲が。秋です。
2006年9月02日
(ザクロ)
今年初めてザクロが売られているのを見かけました。秋ですね。今頃西安に行くと道に沿ってザクロ売りが並んでいます。シルクロードを伝って灼熱の沙漠を越えてやってきた、いかにもそんな感じのする果物です。開けると真っ赤で、種が溢れていて、食べると甘酸っぱくて。私はこれを食べるといつもベリーダンスを連想します。妖艶な美女が腰を円に描くように動かし、イスラムの音楽が鳴り響く、あのベリーダンス。こういう連想をするのは私だけなのでしょうかしら。値段は一個日本円で60円ほど。
2006年8月31日
(夕涼み)
フォードのショールームです。高級車が並んでいます。そこにランニング姿でソファーに腰掛けている男がいます。夫婦で夕涼みの散歩中なのでしょう。ランニングにスリッパをつっかけてフォードのショールームに来ても何の不都合もないのでしょうが……。隣にはロールスロイスのショールームもあります。もしかしたら明日には、ランニングにスリッパをつっかけてロールスロイスを買いに行くのかもしれませんしね。
2006年8月29日
(竹の海-4)
120平方キロの竹林。一体何本生えているでしょうね? 竹は生えてから四年以内に切り倒すのだそうです。笛を作ったりゴザを作ったり麻雀パイをつくったり。根っこの部分は一番使い道がなかったのですが最近になり、この竹細工で一躍脚光を浴びることになったのだそうです。使い道がない人も、時代が変われがいつか脚光を浴びることもあると言うことでしょう。
2006年8月28日
(竹の海-3)
「竹文化」って言うのだそうです。竹細工や竹の笛。筍料理、麻雀もそうかしら? 昔、竹の子族なんていうのもありましたね。この笛、名は忘れましたが、3000年前の岩絵にも描かれているとか。「笙」とか「ひちりき」「竜笛」は日本に伝わったのでしょうが、このホラ貝みたいな笛も日本に伝えられたのでしょうかしらね。日本の美的感覚に合わなかった?
2006年8月27日
(竹の海-2)
ロープウェイが通っていまして、竹の林を越えていくのですが、これが凄いです。見渡す限り、視力の届く限り竹の海です。竹に酔ってしまいそうな30分でした。
2006年8月26日
(竹の海)
四川省に「蜀南竹海風景区」というのがありまして。広いの何のって。12平方キロといいます。それが全部竹林。そしてまた上手くできたもので土が赤いのです。そのコントラストの美しいこと。人々は竹に染まるように竹林の赤い小道を散策します。
2006年8月23日
(自貢の岩塩)
四川省自貢といえば恐竜と岩塩。2000年前から岩塩の採取をはじめ、今でも全中国の塩の生産の5%を占めるというからすごいです。井戸を掘り、水と一緒に地底の岩塩を吸い上げ、水を蒸発させ塩を残す。いままでに掘った井戸は一万三千。深いものは千メートルに達すると。写真は、かつての塩を乾燥させる作業の様子をモデルで示したものです。四川省名物の搾菜はこの岩塩で漬けなければその味は出ないと。ホントかしら?
2006年8月21日
(重慶・朝天門)
3年ぶりにきました。中国でもっとも好きな場所のひとつです。重慶の朝天門。河の港です。嘉陵江と長江がここでひとつになり圧倒的な水量をもって東へ流れていきます。その流れに乗って大きな船が下っていきます。あるいは流れに逆らいながら上流の宜賓に向かって上っていきます。何時まで眺めていても飽きることはありません。万県、宜昌、武漢、九江、南京、南通、上海。長江に沿って連なる港町の物語を書きたいものだと思いながら、詩才なきが故に、果たせぬままに十年が経ってしまいました。籠に子を背負った男も果たせぬ夢を追いながら長江の流れを眺めているのでしょうか。この子もいつかまた、長江の流れに果たせぬ夢を追うでしょうか。世界に河は多くとも、長江という河だけがもつ圧倒的な力なのだと思います。
2006年8月17日
(サングラス)
おじさんがお嬢さんにインチキなサングラスを売りつけようとしていますね。このお嬢さんは前の市場、「崇文門市場」というのですが、そこで野菜を売っています。私は彼女からよくアスパラカスを買います。ふと見ると、二人の周りに赤とんぼが沢山飛んでいます。売ったり買ったり。騙したり騙されたりしているうちに今年の夏も終わりです。
2006年8月14日
(文句有るか?)
「寝るほど楽はなかりけり浮き世の馬鹿は起きて働け」って言葉がありますが、そんな言葉を言う前から寝ちゃってる感じですね。思想としても虚無ではなく、あるがままの姿としての惰眠。
2006年8月13日
(路上での売り買い)
売られているのはジャラジャラした装飾品です。売っているのは正面のおじさん。人気が高く女性に取り囲まれています。それにしても、なぜ路上でモノを売ったり買ったりするのでしょうね。無店舗販売の一種? yahooのオークションみたいなもの? 少なくとも、売る方からすると、働く気さえあれば食っていける仕組みが北京にはある、ということでしょう。服でも、靴でも、鞄でも、海賊版のCDでも。今の中国では、結構大きなことかもしれませんね。
2006年8月09日
(傘売り)
今日もひとしきり激しい風雨がありました。ショッピングモールの入り口で雨宿りをしていましたら、ひとりの若者がグチャグチャになりながら猛スピードの自転車でやってきました。何だ何だと思っていましたら、何と、彼は荷台から傘の束を取り出して、それを売り始めました。一本十元。あっという間に売り切れましたね。凄いですね。にわか雨はいつ降り出すか分かりませんからね。降ったらサッと自転車で駆けつける。どこでどうやって待っているのか?
2006年8月09日
(按摩屋)
公園の木に「按摩」の看板が立てかけてあります。看板はありますが按摩師がいません。向こうの輪の中でトランプでもしているのでしょうか。とにかく、のんびりしていますね。
2006年8月06日
(蓮の実)
街角で蓮の花が売られていました。三本一束で4元。並んで売られているのは? 蓮の実。花は飾るのでしょうが、こちらは食べるために売られているそうで。私も一つ買ってみました。どうやって食べるかというと、ブツブツして見えるのが実の天辺の部分なのです。それを掘り出すと、色は緑、形はドングリ。その外側の緑の皮をむくと白い実が出てきます。それを生で食べる。味は、椎の実のようです。お粥に入れて食べるのが一般的とか。
2006年8月04日
(行列のできる……)
日本では行列ができるのはラーメン屋さん。では、中国では? これは、肉マンジュウ屋さんです。こちらでは、「包子」といいます。見ていると皆十個も二十個も買っていきます。よほど美味しいのか。それほど美味しいマンジュウというのがあるものなのか。中国人から見ると、一杯のラーメンのために列を作るのが分からない。そういうことなのでしょう。
2006年8月03日
(大きな栗の木の下で-2)
これはどういう場面なのでしょう。少女が大きな木の下で根っこに腰掛けておそばを食べています。時間は午後二時。美味しいかな。何の仕事でしょう。故郷のお母さんのことでも思いながら食べているのでしょうか。大きな木があってよかったですね。なければもっと寂しい絵になっていたことでしょう。
2006年8月02日
(大きな栗の木の下で)
会社の近くに大きな木があって昼食の行き帰りにその下を通ります。そこにはいつも人々たくさん腰掛けていて、自転車のバンクを修理する人、靴直し、小鳥の籠をもった人、孫を連れたおばちゃん、仕事がなくて行くところがない人……。いつも思います。「大きな木って凄いなあ」て。そして、いつも知らぬうちに口ずさんでいます。「大きな栗の木の下であなたとわたし楽しく遊びましょ。大きな栗の木の下で」。大きな木も凄いけど、よく味わうとこの詩も凄いですね。私は詩人ではないですが、一生の内、一編でもこんな素敵な詩が書けたら最高だろうな、ってね。
2006年8月01日
(「小広告」)
真夏のクリスマスツリー? いえ、北京市の美化運動の一環で「小広告」を集めて木を形造ったものです。「小広告」というのは、電信柱に貼られたりする広告。側に置かれた説明によると、「ツリーは高さ4メートル。30万枚の『小広告』で造られた」。更には、「30万枚の『小広告』を作るには1.4立方メートルの木材が必要」。「美化」からいつの間にか論点が「無駄はやめろ」ということになっているのが面白ところです。でも「無駄」かどうかはお金をかけて「小広告」を作っている人が判断すればいいのであって北京市が決めることではないような気がしますが。最後まで美化運動だけで押した方がわかりやすいのではないかと……。それにしても、小さな紙片を貼ってツリーを作るのはさぞかし大変だったことでしょう。これは無駄?
2006年7月31日
(滝?)
午前11時、晴れていた空が一点にわかにかき曇りバケツをひっくり返したような雨になりました。「北京の夏の雨は男性的」と言いますが、今日のは男性的なんてもんじゃありません。滝みたいでした。でも、いつも感心するのは、中国の人が傘を持っていること。これほど雨の降らない北京で傘を持っていること自体不思議なのですが、雨が降り出すと慌てず焦らず手品みたいにサッと傘をだします。何故でしょう? 天気予報がよく当たるから?
2006年7月30日
(野外コンサート?)
日曜の公園。写真左上の椅子に腰掛けた老人が二胡を弾いています。聴衆は、上半身裸の男たちや地面にベタッと腰を下ろした男たち。一見、北京の人ではありません。四川省あたりからの出稼ぎ労働者。今日は非番なのでしょうか。二胡のもの悲しい音色にじっと聞き入っています。故郷の家族を想うか? 弾く方も演奏者冥利に尽きるでしょう。
2006年7月29日
(ニセモノ展)
街角で「ニセモノ展」が開かれていました。手前はニセの証明書類。その奥はニセの印鑑。さらにはニセの免許所類。見ていてなかなか楽しいです。5年前、合弁の旅行社の社長をして初めて社員を公募したとき、送られてきた履歴書に添付された「卒業証明書」を見ながら総務の中国人スタッフたちが、「この卒業証明書はホンモノだろうか」なんて議論を始めたのに新鮮な驚きを感じたのを思い出します。「スゴイ国だな」って。
2006年7月26日
(冷夏)
6月はあんなに暑かったのですが。このところ毎日25度止まり。22度なんて日もあります。数十年ぶりの冷夏だそうです。この小父さん。ジャンパーを着込んで、「飲み物が全然売れない」。過ごしやすいことは確かですが、やはり北京の夏は40度にカアーと燃えないとね。
2006年7月15日
(サイン設計)
計画経済から市場経済へ、国有企業から民有企業へ。社会の構造が大きく変わるなかで、北京は「何でもあり」の状態です。活きるためには食わなくてはいけない。食うためには稼がないといけない。これは、街角に腰掛け、「あなたのサインを設計します」という商売。この女性、10元を払っていました。
2006年7月14日
(夕涼み)
夕涼みです。閉店した銀行の前。男は上半身はだかで座り込み、おばさんは犬を連れて散歩です。胡同は壊されても、夕涼みは残ります。彼らにとっては、人生で最も豊穣な時間なのかもしれません。
2006年7月12日
(水)
このようなかたちで蒸留水やミネラルウオーターが家庭に入り始めたのはいつ頃でしょうか。1996年から97年頃でしょうかね。もともと北京の水は悪く生では飲めず沸かしてから飲むものでしたが……。今では90%以上の家庭で利用されている、と言います。一樽18元程度。私の知り合いはお米をとぐのもこれを使っています。「コカコーラの水が美味しいか、ワトソンの水が美味しいか」。今日も社員同士がこんな話をしていました。豊かになった、と言うことなのでしょう。
2006年7月11日
(三輪車)
近代的なビルが建ち並びその間を飄々と走る三輪車。北京の特徴と言えば特徴なのでしょうが……。近代化の進み具合と三輪車の数は比例しますか?反比例しますか? 数年前よりも街は近代化をし、三輪車の数も増えました。なぜこういうことが起きるのでしょうか? 近代化の深化にともなう都市の農村の格差の拡大、それによる農村から都市への出稼ぎの増加。それも原因の一つでしょうか。都市のなかでは、国営から民営へ企業形態が変化するなかで必然的に発生するリストラ。その余剰人口の受け皿としての三輪車。それも一つでしょうか。三輪車は赤いひさしをヒラヒラとさせながら飄々と走りますが、そこには現代中国の重い重い現実があるのです。
2006年7月08日
(茘枝安売り)
スーパーのなかで列が出来ていまして、何かと思えば、茘枝の安売り。一斤(500グラム)8元を2.8元に。みんな山のように買っていますので私も負けてはいけないと……。「本枝離るるや、一日にして色変じ、二日にして 香気失せ、 三日にして味変ず」。その茘枝を楊貴妃に食べさせるために玄宗皇帝は四川から長安まで日に夜を次いで早馬を走らせたと言います。一斤2.8元の茘枝を見たら楊貴妃は喜ぶでしょうか? 悲しむでしょうか?
2006年7月06日
(自転車通勤)
朝の通勤時。一昔前のような道路を埋め尽くす「銀輪部隊」という感じにはなりませんが、それでも、信号待ちには群となります。群れにはかんかん帽にシャツの前をはだけたおじさんもいれば、サングラスにミニスカートのお嬢さもいます。
2006年7月05日
(新車発表)
この手の自動車の宣伝イベントが、大きなショッピングモールでは日常的に開かれています。お金のある人もない人も、とにかく人々が雲霞のごとく押し寄せてきて市のようです。中国の人にとっては、きっと、お祭りの一種なんですね。
2006年7月04日
(座る中国人-4)
飛行機が一時間遅れてイライラしているのですが、下を見ると……翼をひさしにつかの間の憩い。私のイライラと彼らの憩いがバランスがとれて丁度いい具合のようです。
2006年7月02日
(アイススケート)
国貿センターのスケート場。外は炎天でもリンクの上ではお子様たちがアヒルの親子みたいに遊んでいます。このお子様たちは、ここにくるのに地下鉄とかバスには乗りません。お母様が車で送ってきます。そのお母様は、じっと、ガラス越に我が子の様子を見守っています。

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