旅チャイナ(トップ)|チベット青蔵鉄道|チベット入域許可書|カイラス倶楽部| <江蘇省・鎮江> 金山寺の塔は細身で優しい。強い勾配をもつ寺院の屋根と、その上に聳える優しい塔。その調和が独特の雰囲気を作る。かのマルコポーロもこの寺をこよなく愛でたという。日本の雪舟が修行をしたのもこの寺であった。「唐土勝景図巻」には遠景の金山寺が優美な筆遣いで描かれている。
鎮江は長江と京杭運河の交わるところ。長江を遡れば四川・雲南の奥地に行ける。運河を辿れば北京にも通じる。それゆえに人が集まり物が集まる。そのことが、鎮江の歴史を形作ってきた。 昔日の栄光も近代の屈辱も、すべては長江と大運河の交わる地であるがゆえの宿命。雪舟の描く金山寺は長江の中州にある。今は土砂の堆積により陸続きになってしまった。すべてはダイナミックに変化する。それでも、鎮江が鎮江であることだけは変わらない。その鎮江を金山寺の塔は今も静かに見守っている。 (写真は上から金山寺、北固山から見る長江、マルコポーロも歩いたという「老街」、旧イギリス領事館) (中日新聞・東京新聞の2002年8月18日日曜版に掲載)
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