旅チャイナ(トップ)|チベット青蔵鉄道|チベット入域許可書|カイラス倶楽部| <浙江省・寧波>
寧波の名は日本人には懐かしい。「天の原ふりさけ見れば春日なる……」。阿倍仲麻呂は望郷の念抑えがたく「明州」から帰国の船に乗る。この明州が現在の寧波である。 行ってみると、天童寺は竹の林の中にあった。現在でも百名の僧が修行に明け暮れている。そう、人は自分で修行するしかない。冬の雨音の中寺は更に静寂であった。如浄の一喝。今立っているここで起きた小さな一事。八百年前。もしもその僧が居眠りをしなければ……。不思議な感慨に包まれながら山を下りた。
寧波の町へ向かう。私は久しく寧波を夢想していた。河を埋め尽くすジャンクの群れ。港町の雑踏。行ってみて驚いた。ジャンクも港もない。河の両岸は芝生を植えた公園になっている。「港はどこへ行っちゃいました?」。「海に近い所へ」。 (写真は上の二枚は天童寺・下の一枚は寧波の港があった辺り) (中日新聞・東京新聞の2003年1月12日日曜版に掲載) |
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